見えるけど、見えない。

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腕章を付けている者から、 自分の姿が見えていないと気付いた人は、 その人から嫌われていることを知ってしまう。 見えない相手からすれば、気分の悪いことだろう。 この事件の子供たちには、 それが分かりやすい「暴力」という形で発露した。 殴ってくる相手が見えなかった子は 自分を守ることもできず、全治4カ月の大けがを負わされてしまった。 ただ、悪いニュースばかりでもなかった。 嫌われていると知った会社の上司が 自らを振り返って態度を改め、良い上司に変わったという話や 自分のパートナーが思いやってくれるようになり、 結果、相手の姿が「見える」ようになったという ポジティブなニュースだ。 ということは、自身が嫌っている相手を受け入れるように なることができたなら、この状態から脱出できるかもしれない。 TVのコメンテーターや評論家のことを考えてみる。 彼らは仕事で、実際何が起きたのか分かるはずもない 事件やニュースについて、自分なりの意見を述べているだけ。 政治家のことを考えてみる。 実際にできるかどうかは別にして、夢や理想を掲げることは そんなに悪いことだろうか?親の地盤を引き継いだだけの 議員は別にして……ああ、これは駄目だ。 DQNはどうだろうか。 考えてから行動することはほとんどなく 物理的なマウンティングでしか生きられない輩。 でも、そんなキャラクターが活躍する漫画は よく読んでなかったか?密かに憧れているんじゃないのか? ネトウヨはどうだろうか。 自分の都合のよい解釈で歴史を語り、愛国と言う言葉に依存して 排外主義を掲げる。 彼らの根底にあるのは、理解できないものへの恐怖。 声高に喚けば喚くほど、負け犬の遠吠えにしか聞こえない。 ああ、これも駄目だ。受け入れられない。 大人の女性はどうか。 セクシャリティ的に、俺はゲイではない。 女は好きだ。本能が求めてしまう。 ただ、怖いだけだ。慣れていないだけ。 どうやったら慣れることができるだろう? 文字だけで会話するだけならネットでいくらでもできるが 実際に会って話さなければ慣れることなどできないだろう。 でもそんな機会など、どうやったら設けることができるのか?
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