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まさか乳首の色で怒られるなんて、あの頃の私は微塵も思っていなかった。
誰かを喜ばせるという意味ではあながち間違いではないけど……
「西沢、10分たった」
「え? あっ、あの……あともう少し!」
少し離れた席にいる九条さんに急かされ慌ててそう答える。
あー……もう、監視されてるとますます出来なくなる。
ていうか、少しくらい黒いほうがリアルでいいと思ってあえてそうしたのに。実際、女の乳首なんてみんなあんなもん。
男が幻想を抱きすぎなんだ。そう心の中で悪態をついてみる。
だがもちろん、九条さんにそんなこと言えるはずもなく。彼の視線を感じる中、大急ぎで要望のピンク色に仕上げていく。
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