131人が本棚に入れています
本棚に追加
お雪に渡された錠剤を、怪訝な表情で見つめる安倍信勝
「毒じゃないわ。それは強化薬よ」
「強化薬・・で、御座るか」
お雪は強化薬について、きちんと説明した
「では大御所様、この薬を飲めば良いのですな」
「そう。いくらあなたが強かったとしても、多勢に無勢じゃあ一溜まりもないでしょ?」
安倍信勝はうっすら涙を浮かべ
「ありがたき!必ずや成功させて参る」
そう言って勢いよく頭を下げた
「信勝殿、期限は2日後の明朝。我らは躑躅ヶ崎館へミサイルを撃ち込みます。それまでに真田家を降伏させなさい。さもないと、ミサイルを要所に撃ち込むと言いなさい」
安倍信勝は恐れた
以前ミサイルの小型と言われる物を実験したが、当たった山は半分以上削られてしまった
そんなものが当たれば、いくら頑丈な城さえ木っ端微塵になるのは目に見えていた
「では大御所様、もしミサイルが撃ち込まれた後、上田城も狙われまするか」
「当然」
安倍信勝は慌てた
味方には優しいお雪が、敵にはこれほど苛烈になるとは想像出来なかったのだ
だが現に、松平家は滅ぼされてしまった
「すぐに降伏させて参ります!」
と、言うないなや走り去っていった
最初のコメントを投稿しよう!