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急いで生徒指導室にいくと何人かの生徒が僕のことを待っていたかのように立ち尽くしていた
「呼ばれた理由わかるよな?」
生徒指導の先生が表情を曇らせる
「なんのことですか?」
生徒指導室に雷が落ちた
「とぼけるんじゃねぇ、何人ものお前のクラスのやつがお金を抜かれたって言っている、しかも体育の時間だ。
お前は鍵当番だと聞いているのだが、その場に及んで盗みを働くっていうのはどういうつもりだ」
僕は怒鳴られるのに慣れていないの図星を突かれていないのに、図星を突かれたような表情になり、言い返す言葉も出なかった。
「じゃあ、僕が盗んだのだったら、僕の財布の中にお金が入っていますよね?財布の中見せますか?」
途端に浮かんだ言葉が出てきた
僕はバックの中の財布を開いた
「え」
「どうした早く見せてみろ」
「僕の財布の中のお金も抜かれているのです、今日ギターを買うために70000円くらいATMで下ろしたんです。」
生徒指導の先生が呆れた顔をした。
「お前と同じ1組の三雲太一お前が盗んだって言ってたぞ。それはどういうことだ?」
「僕は彼が教室出る前に、用事があるからって少し残るからって言っていたので彼に鍵を渡した
んです」
生徒指導の先生が余計呆れた顔をした。
生徒指導室の中の空気がざわざわしていた。
これはどういうこと?
太一が盗んだってこと?
そんなわけないじゃん、
俺中学の時不登校になった時毎日家にノート持ってきてくれていたじゃん
弁当忘れて何も食べるものなかった時、弁当半分分けてくれていたじゃん
友達いなくて修学旅行の班が1人だった時誘ってくれていたのも太一じゃん
嘘だ嘘だ嘘だ
とっさに口から言葉が出た
「太一は盗んでないと思います。きっと他に犯人がいるのだと思います。本人に直接聞いた方が早いので、確認してきます」
僕は教室に向かって走った。
気づいたらホームルームは終わって教室には誰もいなかった。
まだ昇降口にはいるはずだ、3階から急いで階段を飛びかけた。
昇降口には太一の姿がいた。友達3人で集まって帰るとこだ。
「ねえ、太一くん、聞きたいことがあるのだけど?」
「何?」
「みんなの財布からお金盗むなんてしてないよね?」
太一は笑って答えた
「もしも盗んでいたらお前はどうする?」
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