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遊び慣れている迫田君のチョイスはさすがで、裏通りにある一見目立たないお店は中に入るととてもお洒落だった。
半個室のように仕切られた静かな席と、賑やかなオープン席とがある。
私たちが店員さんに案内されて通路を進んでいくと、オープン席から「おおーぃ、河北ぁ!」と迫田君が大きく手を振った。
普段なら「大声で呼ぶと恥ずかしいじゃん!」とか怒るキャラなのに、私の前を進む茉由子は無反応だ。
すでに猫かぶりモードらしい。
……おお。
迫田君の隣に座る男性を見た私は大いに納得し、心の中で唸った。
「すっごく格好いい人だね」
「うん」
後ろから茉由子に耳打ちすると、茉由子は少し上気した頬で小さく振り返り、頷いた。
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