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「男は単純ですから、自分に守らせてくれそうな相手に行動を起こします。隙にも色々あって、これは正しい隙」
考えこんでいた私は、彼の嫌味攻撃の気配に気づいて身構えた。
「泥酔してストリップを始めるのは悪い隙の最たる例ですね」
「……言われると思いました」
「個人的にはオツでしたよ」
「ほんと、しつこい」
彼は笑うと、立ち上がった。
「さてと、送ります」
「えっ、今何時……?うわっ、すみません!」
時刻は一時をとうに過ぎていた。
企画書に没頭しすぎて時間を忘れていたのだ。
「でも、あの……いつも徹夜してたのに、この時間に仕上がっているのは奇跡です。助言のおかげです。ありがとうございました」
彼の背中に深々と頭を下げた。
「いいえ、またどうぞ」
こんな風に、私たちはいつも健全に終わる。
歯止めをかけるのは彼だった。
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