ざわめく心-2

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「内山さんって女嫌いなの?もてそうなのに」 「うん、めっちゃもてるのに彼女作らないんだよ。噂によるとスゲー苦しい恋愛したみたいで、昔の彼女を忘れてないらしい。広島はたぶんそれだな。大学時代からの人だって」 「そんな前から?宿命の恋ってやつだね」 大学時代に運命の相手に巡り会う人もいるというのに、もうすぐ三十になる私のこの有り様は何だ。 「そういえばさっき、広島は自分の中で一番綺麗な場所って言ってたけど、そういうことだったんだね。一度でいいから言われてみたいよ」 「やっぱ先輩そんなこと言ってた?まずいな」 「なんで?」 「俺は行って欲しくないんだよなぁ。先輩あっちで結婚したら絶対もうこっちに戻って来てくれねーもん」 喋りながら、迫田くんは料理を取り分けようとした私を手で制止して、代わりにやってくれた。 大事にされている女の子ってこんな感じなのかなと、経験のない私は少し照れた。
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