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内山さんは優しい笑顔を浮かべて、迫田くんを視線で指した。
「俺がこっちに配属になって以来だから、迫田とはもう三年の付き合いかな。土地勘なかったから、本当に助けられたよ」
「それまではどちらにいらっしゃったんですか?」
「神戸だよ。出身も同じ兵庫県」
「神戸いいですね。私、海なし県の栃木出身だから憧れます」
「綺麗な所だよ。海も山も」
神戸が懐かしいのか、内山さんは少し遠くを見るような目をして微笑んだ。
「あの、でも広島を希望されてるんですよね?」
「あれ、そんなことまで聞いてる?迫田、何でもかんでも喋るんだな」
内山さんは苦笑しながらジョッキを空けた。飲みっぷりからしてかなり強そうだ。
イケメンの喉仏から視線を剥がし、再びジョッキに手を伸ばす。
またしつこく皆川さんがちらついたので、反抗するように泡ごと勢いよくゴクリと飲み込んだ。
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