ざわめく心-2

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ここに来る道中、茉由子から“何なら途中で二人で消えてもいいよ”と冗談半分に言われたけど、それは断固拒否しておいた。 迫田くんも外見は結構格好いいし、私にはもったいない人だ。 それに、相手は誰でもいいからとバーに乗り込んだのは、ついこの間のこと。 なのになぜ今は、絶対に有り得ないと思うのだろう? “東条主任が好きだから” それは理由にならない。 だって、皆川さんとは抵抗なくキスしているばかりか、その先のレッスンを待っている。 皆川さんを思い浮かべるだけで彼の温度や感触が蘇り、唇がうずいた。 唇にそっと指で触れる。 私がキスしたいと思うのは――。 「お!なっちゃん、ビールもうないじゃん。次どうする?俺のオススメはねー」 「や、あの、次はウーロン……」 私の思考は迫田くんにぶち切られた。
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