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自分を守るため、私は彼に腹を立てようとした。
“僕と付き合っている設定の間は行動を慎んで下さい”
何だよ。
自分は女の人と会ってるくせに。
でも、“僕は人目につかない個室ですから”と彼の声が聞こえてきそうで、余計に泣きたくなるだけだった。
わざわざ個室で会うなんて。
真夜中に電話もしてきた。
登録名は下の名前だった。
そういう仲なんだろう。
彼女は本物、私は偽物。
いや、偽物ですらない。
最初から言ってたじゃない。
期限までの練習台、って。
まだ間に合う。
好きになんかなってない。
好きになんか、なるもんか。
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