恋か、忠誠か-2

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年が明け、仕事始めの日を迎えた私は清々しい気分で一週間ぶりの職場のドアを開けた。 友人たちは年々結婚で地元を離れ、赤ちゃんの写真入りの年賀ハガキが届くことが多くなった。 その度に親がため息をつく実家での休暇は、居心地が悪くなるばかりだ。 残っている友人たちとも、互いの環境の違いからか本音を語れなかったりして、少しずつ距離を感じるようになった。 後ろ向きな理由も含むものの、私の居場所はやっぱりここがいいなとしみじみ思う。 相変わらずバリキャリとは程遠いけれど、食らいつく気持ちだけはある。 雑用を終えたあと、休み中の業界紙の記事チェックをしていると、課長がふと思い出したように言った。 「そういえば年末、新工場の建設予定地がリークされてたよな」 「それ……千葉の新型ディスプレイ工場ですか?」 同じく記事を見ていた東条主任が顔を上げた。
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