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真冬の夜空を見上げ、濡れた頬を北風にさらした。
バカ。
バカ。
また懲りずに恋をするなんて。
凍りつくまで寒風に頬をさらせば、恋を捨てられるぐらいに強くなれるだろうか。
でも、温かな涙のせいで、ちっともそうはならなかった。
胸にとどめておくには苦しすぎて、彼に伝えてしまいたかった。
どうせもうすぐ会えなくなるなら───。
けれど十日後の懇親会の日、私は香子さんと彼の関係を知ることになった。
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