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東条主任も私と同じく帰り支度を始めているようで、すでにパソコンは閉じられている。
「主任、もう上がりですか?マグカップ、洗ってきますよ。ちょうど私のを洗いに行くので」
うまく逃げる口実を思い付き、立ち上がりながら東条主任に声をかけると、主任もマグを持って立ち上がった。
「僕も行くよ」
「任せてくれていいのに。ちゃんと綺麗に洗いますよ」
「いやいや、信用してるって」
主任は苦笑したあと、周囲が引けたのを見てから少し小さな声で付け加えた。
「話したいこともあるしね」
何やら秘密めいた雰囲気に思えて、途端に緊張が高まる。
話したいことって何だろう?
手足をぎくしゃくと動かしながら、先に立って部屋を出る主任に続いた。
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