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給湯室まで主任は黙っていた。
これまで三年間ずっと見つめてきたから、見た目からは分からない微妙な変化を感じ取ってしまうのだろうか。
黙って歩く主任の横顔にはほんの少し、疲れたような表情が刻まれている気がした。
そんな主任の様子に気を取られていたせいで、給湯室に入るとさっさと腕捲りをした主任にスポンジを取られてしまった。
「あっ、すみません、私が」
「江藤さんのも貸して」
「そんな……。じゃあ私、すすぎ係やります」
小さな流し台に二人並んで立つと、まるで新婚夫婦みたいで顔に熱が集まった。
こんな所を堀内さんに見られたら大変だ。
それにしても、堀内さんとはどうなったのだろう?
出番を待つふりをして、主任の長い指が私のマグを洗うさまをじっと眺める。
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