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改札を抜けて自宅方面行きのホームへ繋がる階段をのろのろと上がる。
彼を探そうにも、食事は大抵彼の家で、行きつけの店がどこかなんて知らないし、どうしようもない。
行きつけの店……?
階段を上る私の足が止まった。
……彼と出会ったバーは?
直感を信じて向きを変え、階段を駆け下りて都心方面行きのホームへと急いだ。
あの時は道に迷って偶然たどり着き、店を出た記憶もなく目覚めたらホテルだったのだから、バーがどこにあるのかは全くわからない。
でも、何の必然性もないただの直感だけど、あのバーを探し当てることができたら彼に会える奇跡が起きる気がした。
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