もう一度、あなたに逢えたら-2

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「また逃げますか?」 彼の唇が優しく私の耳を食む。 「逃げません……。ていうか、歩けません……」 「まあ、逃げても見つけ出しますから」 満足そうな笑い声が耳元の髪を揺らした。 「歩けなければ、延泊するしかありませんね」 「え、延泊……?」 「することは限られていますが。何度も寸止めするのも限界の極致でしたから、まずはその分を」 「まずは、て」 彼は本物の鬼かもしれないと、朦朧とした頭で考える。
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