もう一度、あなたに逢えたら-2

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「這ってでも帰ります……」 「僕の部屋にね」 大好きな人のものになった初めての夜。 これまでの私の三十年はこれでよかったのだと心から思う。 彼の方に身体の向きを変え、甘えても反抗しても受け止めてくれる広く温かな胸に顔をすり寄せた。 眠りの底に落ちるけだるさの中で、私はもう一度つぶやいた。 「好き……」 閉じた瞼に、優しいキスが降ってきた。
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