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「僕がバーにいると、よくわかりましたね」
「あの……家に行ってみたんです。でも居なくて……。バーぐらいしか思いつかなかったんですけど、前回は酔っていたから場所がわからなくて……」
皆川さんはこのたどたどしい説明でだいたいのことを察したようだった。
「最初にあなたに触れた時、ずいぶん冷えていました。今は大丈夫?」
「はい」
身体を撫でる優しい仕草にうっとりしていると、次はやはり嫌味が降ってきた。
「顔にもそれなりの苦労がしのばれます」
「……すみません」
彼にたどり着くまでに何度泣いたか覚えていない。
おそらく妖怪状態だろう。
洗面所に行くきっかけをどうにか作れないだろうかと考えていると、彼が突如話題を変えた。
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