もう一度、あなたに逢えたら-2

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「はい」 すっかり甘やかされた気分でうなずいたのに、私の返事を聞くと彼は豹変した。 「じゃあ、脱いで」 「いっ?」 「失恋の自棄でもなく練習でもなく、僕のために脱いでみせてください」 「いやいや、この間、皆川さんの部屋で脱ぎました!」 「あの時、僕はあなたの気持ちを聞かされていなかったので堪能できませんでした。自分を抑えるのに必死で」 もっともらしい理由をつけ、必死とは程遠い余裕の笑顔で彼は私に要求した。 「そんな、そっちばっかり、ずるい」 いつも私は彼の言いなりだ。 こちらばかり辱しめを受けるのはたくさんだと、まるで決闘を申し込むように私は言い返した。 「じゃあ、私が皆川さんを脱がせるのは?」 飲んでくれないと思ったのに、彼はニヤリと笑って軽く承諾した。 「脱がせ合いですか。いいですよ」
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