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双子の銅像
ある所に双子の慈善家の銅像が建っている。
みすぼらしい銅像は皆に愛され慕われ。
立派な銅像は誰からも愛されず薄汚れていた。
そこへある日、若者が立派な銅像を掃除し始めた。
偽善者の銅像を慕う若者へ不思議に思った人が尋ねた。
「この慈善家は寄付で良い暮らしをしていた偽善者なのだよ」と。
それに若者は「子供の頃この人の会社に助けていただいた恩があるのです」と答えた。
双子の慈善家のおかげで今、街は善人でいっぱいになった。
それを見たみすぼらしい銅像の慈善家は幸せな気持ちになれた。
そして掃除され綺麗で立派な姿を取り戻した銅像の慈善家は
地上さえも居辛くなってしまったのだった。
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