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契約書には、簡潔な文。
〈悪魔は、あなたの願いをお金をもらわずにかなえる。〉
私は、サインを書いて、悪魔に渡した。
「受け取りました。元の世界に行けば、叶っているはずです」
「帰ったら朝だよ。じゃ、いってらっしゃい~」
その言葉を聞き終わる前に、私はどこかに飛ばされた。
だから、その後に、
「ほんと、人が悪いよね。あんな契約書書かせるなんて」
「人じゃないですし。それに、お金以外はもらわないなんて、一言も言ってないですから」
「ま、そうだね」
という会話が交わされたことに、気づく余地はなかった。
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