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元の世界に戻ると、私は、スーツを着た人達がたくさんいるところに立っていた。
あれ?ここは?
まさか、ホントにかなったの?
そういえば私、コンビニの制服着てたんじゃ…
慌てて自分の姿を見下ろすと、きちんとしたスーツを着ていた。
見覚えのないスーツ。
しかも、手にはバックも握っていた。
「今日もいつもの調子でよろしくね」
「たよりにしてるぞ」
いきなり声をかけられた。
そうか…
元々ここに入ってたことになってるんだ
そう思ったら満足感でいっぱいになった。
「はい!」
タダだし、次は何をしてもらおうか。
そう思っていたとき、何も考えられなくなった。
いや、その表現は間違っている。
体が、存在が、さらさらと砂になって散っていく。
笑顔のまま。散っていく。
そして、最後もむなしく。
いた場所には、存在の証明とでもいうかのように、ほんの少しの砂が残っていた。
周りの人達は、いつも通り、なにも変わらず過ごしていた。
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