4人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「じゃあ…この私の、本来あるべき姿を。」
「と、いうと?」
「決まってるじゃない。一流企業に就職してる私よ!」
「現実はこれなんだけどね」
ボソッと聞こえたけど、気にしない。
「…わかりました。いいでしょう」
「いくら?お金?それとも寿命、とか?」
「私たちに寿命なんて意味のないことです。お金は要りません。タダで結構です」
「え?でも…これは」
何となく不自然に感じる。
だけど、タダという言葉に引かれて、あまりよく考えなかった。
「じゃあ早速お願いね」
「いいえ」
「なぜ?」
「契約書、をかいてもらいます。タダとはいえ一応願いは叶えるんですから」
「わかったわ」
「…」
片方の悪魔がさっきから沈黙している。
私は差し出されだ契約書に目を通している。
それを除きこんだ悪魔が少し笑みを浮かべた気がしたが、気のせいだろう。
最初のコメントを投稿しよう!