悪魔との契約

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「じゃあ…この私の、本来あるべき姿を。」 「と、いうと?」 「決まってるじゃない。一流企業に就職してる私よ!」 「現実はこれなんだけどね」 ボソッと聞こえたけど、気にしない。 「…わかりました。いいでしょう」 「いくら?お金?それとも寿命、とか?」 「私たちに寿命なんて意味のないことです。お金は要りません。タダで結構です」 「え?でも…これは」 何となく不自然に感じる。 だけど、タダという言葉に引かれて、あまりよく考えなかった。 「じゃあ早速お願いね」 「いいえ」 「なぜ?」 「契約書、をかいてもらいます。タダとはいえ一応願いは叶えるんですから」 「わかったわ」 「…」 片方の悪魔がさっきから沈黙している。 私は差し出されだ契約書に目を通している。 それを除きこんだ悪魔が少し笑みを浮かべた気がしたが、気のせいだろう。
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