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また、あの場所からのスタートかーー
わたしは、そう覚悟していた。
しかし、今回は違っていた。
わたしがいたのは、大勢の研究員が、ぎゃく殺されていた一室。
そう。わたしは研究員の死体のなかに、よみがえった。
奇跡的に、首が切られていない。
かわりに片手が失われている。
逃げまどい、抵抗したものの、大量出血で死んでしまった死体のようだ。
ありがたいことに、ドアはあいていた。
さっき、わたしが、あけっぱなしで出ていったからだ。
ここからなら、階段は近い。
でも、それは、まだ、アイツが、そばにいるということだ。
わたしは見た。
あの殺戮者の正体を。
あれは、ロボットだ。
もともとは森林伐採用のマシーン。
両手が巨大なハサミになっており、その刃の長さは一メートル。
アイツにかかれば、人間の首なんて、キャベツを収穫するように、スカスカ切れてしまう。
(なんで、あんなものが、ここに……)
考えられるのは、研究員の処刑に使ったということ。
つまり、あれをつれてきたのは、アマテラス。
自分の秘密を知る者たちを、一人残らず、抹殺するために……。
見つかれば、殺される。
アマテラスにとって、わたしは、もっとも殺したい者の一人だろうから。
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