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わたしは、ハッとした。
「そうか。それで、わたしは死体にーー」
「そう。あんたのその力は、アマテラスへの共鳴により得られた。あんたとアマテラスが、なぜ、共鳴するのかは、わからないが」
「それは……」
わたしには、そのわけがわかる。
「それは、わたしとアマテラスが、この星の最後の二人だから。わたしたちは人間が来る前から、ここにいた。わたしたちは、この星で生まれた亜人種なんだ。世界で、たった二人だけ生き残った、滅びの種族」
「アマテラスは、ただのコンピューターじゃないのか?」
「わたしの妻のラビーが死ぬとき。ラビーの意識とアマテラスを連動させた。つまり、アマテラスの母体は、ラビーだ」
「なるほど。だいぶ、見えてきた。あんたは、ラビーの弱点を知っている?」
わたしは、うなずいた。
イズミは手をさしのべてきた。
「では、行こう。アマテラスを停止するために」
わたしは、彼の手をにぎった。
あのとき、種族の最後の一人になることが、さみしくて、わたしは博士にお願いした。
ラビーの心を残してほしいと。
でも、それは、まちがっていた。
もう終わらせなければ。
すべてをーー
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