そして、神は降臨する

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* また、ここからの出発か。 これで、何度めだ? 幸いというか、なんというか、わたしの乗り移るのは死体だ。痛覚はない。何度、首をはねられても痛くも、かゆくもないが。 このままでは、ここから出られない……。 その恐怖が、しだいに大きくなっていく。 頭上からモーター音がする。 あれはプールの死体をかきまわすアームの作動音だ。 あれじたいには危険はない。 わたしは、アームのかく乱に巻きこまれないよう、プールをあがった。 そのとき、ふと気づく。水面に何か浮かんでいる。さっきまでは、なかったはずだ。かく乱によって、沈んでいたものが浮きあがったらしい。 アームをさけながら、ひろいあげた。 それは、カードキーのようだ。 どこのカギだろう? それに、まだ、使えるのだろうか? 疑問はあるが、とりあえず、持っていくことにした。 廊下をしんちょうに歩いていく。 まだ、あいつの気配はない。 いつ、どこから、おそわれるか、わからない。 しかし、碁盤目状に廊下のまじわる、あの場所までは来た。 わたしは試しにカードキーを使ってみた。 ドアのセンサーにかざすと、ロックの外れる音がした。 (ひらいた……) ドキドキしながら、わたしはドアをあけた。     
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