狂気の末路

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グッと親指に力を込めた刹那・・・・・・ーー 『感染率は九十九パーセントです』 脳天に響く、いつか聞いたラジオの女の声! 俺は唾液と共に銃口を口の中から引きずり出し、テーブルに投げつけた。 「・・・・・・クソぉぉッ!!」 何をやってるんだ、俺は! まさか一パーセントの希望なんて、馬鹿な夢にすがるのか!? 感染しないわけがない。 街の光景を思い出せ。 会社の連中も友人も・・・・・・誰一人、助からなかった。 ウィルスの狂気に飲み込まれ、獣と化す瞬間を嫌というほど見てきた。 足下に転がる妻だった者の死体・・・・・・。 追われるように街から逃げ、途中ガソリンを補給していたところを獣に襲われた。 泣き叫ぶエミリオを後部座席に押し込み、俺は運転席へ。 だが、妻が助手席に乗り込む寸前、獣に噛まれた。 腕だった。 肘の下辺りを食いちぎられた。 恐怖と痛みで喚く妻に「大丈夫だ!」と説得力のない言葉を掛けながら、車に引き入れ急発進させる。 片田舎の別荘地まで逃げてきた。 人も、獣の気配も無い。 今は。 鍵を壊し、住居に侵入した。 とにかく夜明けまでここに隠れていよう。 朝になったらラジオで聞いた避難施設へ向かおうと、そう話していたのだが・・・・・・。
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