愛惜の日

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こうして一人歩きしたお姉様の噂はやがて尾ひれを増して、何がどうしてそのようにまで至ったのかーーもはや事実の如何に関わらず、学園の校旗に泥を掛けた責を問われたお姉様は、とうとうこの秋、学園を去るようにとの一方的な退学の申し付けをなされたのです。 それでもお姉様は取り乱す事はせず、ひとつの弁解さえなさろうとはしませんでした。ただ、お別れの日を迎えるまでのわずかな日々を、学園の中で静かにお過ごしになるのでした……。 私にできることなど何もない、そう頭では分かっていても心が納得を拒みます。 もう明日お姉様とお別れかと思うと心臓が引きちぎれるのではないかと思うほどに痛い。 ああ。できることならばお姉様をお救いしたい。 そうお姉様は従順で大人しい方だから、学園側から強く命じられては否とは言えなかったのではないかしら?  私がお姉様の御身潔白の証人になれたなら??そんな浅はかな思いから、私はお姉様の本当のお心を見つけようと、下校なさるその跡をそっと追いかけてみたのです……。
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