Chapter1

9/17
前へ
/60ページ
次へ
「そう言えば、今年いっぱいで引退するって言っていましたよね」 そう答えた私に、 「どんな人がくるのかしらね」 中井さんは楽しそうに笑いながら言った。 まあ、新しくくる店長がどんな人であっても私には関係がない話だけど。 と言うか、もう男はどうでもいいと言う話である。 中井さんと一緒に表に出たら、 「そろったようだね」 店長が全員の顔を見回すと言った。 「それでは始めたいと思います」 週明けのミーティングが始まった。 先週の売上についての説明が終わると、 「次に、皆様もご存知の通り私は今年いっぱいで長らく勤めていた『藤岡紳士服店』を退職します。 次の店長ですが、私の孫に任せることにしました」 店長の隣に現れたのは、背が高い男の人だった。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1017人が本棚に入れています
本棚に追加