Chapter1

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こんなことはマンガかドラマの中だけだと思っていたけれど、まさか自分がその立場になってしまうとは…。 そんなことよりも、まずは自分の身を確認することが先である。 服は着ているし、下着もちゃんと身につけている。 うん、セーフだ。 襲われたと言う形跡もない。 さっきまでモソモソと動いていた物体の動きは止まっている。 アウトと言えばアウトだし、セーフと言えばセーフである。 先ほどまで感じていた頭痛はもうどっかに飛んで行ってしまった。 自分の身が無事だと確信したその次は、 「――逃げなきゃ」 ここから逃げることである。 自分が今まで座っていた場所――ベッドのうえから下りると、昨日は持っていたはずのカバンを探した。 ソファーのうえに置いてあった自分のカバンを手に取ると、飛び出すようにこの場所から逃げ出した。
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