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つのなしマーリンのあいづちを知ってか知らずか、少年はタイミングよくつづきを話し出しました。
「だんれもいねえところかと思ってたらよ、なんかあやしいかんきょうほご団体のれんちゅうが、おらのすむ島に基地をつくってたんだあよ。
そんでもってそのれんちゅうが、ここの島をすんげえ金で買ったんだべな。
そんで、おら、そのれんちゅうに見つかって、むりやりなかまに引き入れられちまった…。
まあ、ほんとうにひとりだったらのたれ死んじまったかもしれねえだ。
そいつらにひろわれたのもなんかの運命だったのかも知んねえなあ。
どっかにいじめられているどうぶつがいるのを、助ける運命だとかよお。
もしかして、おまえさんはいじめられているマカジキだっぺか?
つのなしだからか?」
(しつれいねえ、わたしたちマカジキは、くちばしが長いかみじかいかなんかで、いじめることなんてないわ。)
つのなしマーリンは、すこしぷんすかおこりながら言いました。しかし、あんのじょう少年には聞こえていませんでした。
「そうかあ、そらあつらかったなあ。おらもいっぱいいっぱいいじめられたからよお。
やっぱり、いじめられっ子の気持ちは、いじめられたけいけんのあるものしかわらんねえべな。
おめえの気持ちはようくわかるんだあ。もう大丈夫だべ。おらがまもってやっから。」
(ああ、だからべつにいじめられるわけじゃないの!
でも、あなたの方がとっても傷ついているのね…。
なんだか、こっちの方が同情しちゃうわ。
わたしの方があなたをまもってあげなきゃね。)
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