12 サクラ 花びら 恋の舞(つづき)

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「マイカ。俺のマイカになってくれて、ありがとう」 優しい声で静かに言った彼が、そっと私の唇に唇を寄せた。 そして、ものすごく幸せそうに微笑んだ。 「来年の春は、一緒に桜を見に行こうな」 「はい」 うなずいた私の額に、彼は再び淡く唇を寄せる。 「マイカ」 「はい」 そして、短く見つめ合った私を、彼は大切に抱きしめた。 私を包む彼の温もりは、まるで私たちを美しく舞う桜の花びらが 包んでいるように思える。 そして、その私の頭に頬を寄せる彼が静かに呟いた。 「俺のマイカ……」 ドキドキと高鳴る彼の鼓動に耳を寄せ、 彼の背に回した私の手が、小さく彼のシャツを握る。 そして、 「愛してるよ、美羽」 初めて呼ばれた、名前。 それが、彼の心の声になって私の胸に広がる。 そして私も、彼の背中に回した手をそっと引き寄せ、呟いた。 私も大好きです、先輩。 ~ fin ~
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