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その後編1 「カップル事情」
たった2ヶ月という短い間のはずにも関わらず、
先輩との間には、色んな事が有りすぎた。
そのせいだろう。
正直、本当に最後まで、先輩の気持ちがどこにあるのか見えなくて
周りにも振り回されてばかりで、ずっと不安だった。
だから、先輩と想いを確かめ合ったあの時は、まるで夢の中の事のよう。
実際しばらくは、私たちの想いが通じ合ったという実感が
全く湧かないくらいだった。
しかし、そんな私に、これが現実だと知らしめたものがある。
それは、福澤の存在。
もちろん、彼から想いを告げられた後も、
私の中では、答えが変わるとは思わなかった。
そして、先輩と恋人関係になった今、
彼に、この事実と彼の気持ちへの答えを言うことは、然程、難しくはない。
だが問題は、私と彼との距離と関係。
実際、職場の同僚というだけでも、いささかやり辛くなりそうなのに、
物理的距離である私たちの席までが前後という近さ。
その上、まだ一人前になりきれていない私は、
どうしても彼に仕事の相談をしなくてはならないという現状がある。
しかし、このまま有耶無耶にすることも当然できない。
だから私は、週半ばの木曜日に、意を決して「話しがしたい」と彼に声を掛けた。
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