その後編1 「カップル事情」

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福澤は、その日の他愛のない会話を振ってきながら、 まるで、行き先が決まっているかのように駅の方へと歩きだした。 そして、間もなく駅へと出ると、 なぜかそれを通り越して、会社と反対側の方へと向かっていく。 だが、こんな彼の様子に、少なからず私は戸惑った。 そして、まさにどこへ行くのか尋ねようとした時、 私の視線の先に児童公園が見えてきた。 あの会社に入社して、2年半。 駅の反対側に、こんな場所があるのは初めて知った。 そして、 「あの……」 当然のように公園に足を踏み入れてすぐに、私は彼の背後から声を掛けた。 すると、大きな滑り台の前まで歩いて行った福澤が、ゆっくりと振り返る。 「あまり人がいない所がいいのかな、って思ってね」
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