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……潜って行く。
深く、深く、より深く。
否、もしかしたらこれは昇っているのかも知れない。
高く、高く、遥かなる高みへと。
何故なら私は、私の身体がどの方向に向いているのかも、進む方向さえも全く解らないのだから。
かすかな流れを感じ取り、その見えない流れにすがる様に、または自ら切り開く様に進む。
そこに辿り着けるものは存在するのか、そことは如何なる場所か。
正しい道なのか、間違っているのか、確かめる術も無く。
想い一つを頼りに進む。
変わらなくてはならない。そうでなければ望む場所に辿り着けないと。
素質を見出だされても、見出だされなくとも、行き着く先の見えない底知れぬ恐怖と歓喜の入り交じる旅路へと向かうものは後を絶たない。
けれど、今ここにあるがままで良いのではないかと、飽く事なく循環するサイクルを繰り返す方向を選ぶものも残る。
何も変えない方が遥かに楽なのだろう。
知り尽くしたサイクルは無限のウロボロス。
始まりは終わりに繋がり、終わりは始まりに飲み込まれる。
滞りなく流れ続け、同じ轍を踏み、幾度も幾度も繰り返す生の営み。
同じ轍を踏み続け、乏しい変化の時を生きる有限と、分かれては増えて連なり続ける無限のサイクル。
個の意識は有るのか無いのか、流れに身を任せて。
無限を抱きながら、滅びに包まれている。
ならば外に在る滅びを身の内に抱き込み、自らの無限の鎖を断ち切ろう。
死の恐怖を受け入れて、変化の喜びをも得よう。
円環を抜け出し、個の有限の中に新たな可能性を掴もう。
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