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潜れ、潜れ、より深く。
呪文の様な意識を柔らかに放ち、眠りを誘うであろう単調な呼吸のリズムを刻みながら己の内面に潜る。
無意識は只の虚ろなのかもと、ぼくの心を恐怖が襲う。
そこに飛び込めば、こんな小さな有意識など溶け消えてしまうと。
それは未知なるものに挑む恐怖なのだと、要らぬ心配なのだからと、足踏みし躊躇う心をなだめ確認しながら己の内に潜る。
目には見えない意識。けれど知覚出来る意識。
有って無きもの。
集合的無意識など幻想と笑う多くの仲間よ。見えないから無いとは言い切れないのではないか。
ぼくらは複雑な世界を、己の心の内全てを理解し切れない。
如何なる事にも裏と表が、良い面と悪い面があり、立場でそれは逆転もするし、死に因って全ては永劫の無と還る。
けれどそれを知りながら、心は全てを無としないだろう。
集まり寄り添った意識の中に、途方もない知慧の財産は有るのだと。
過去から積み重ねられた知識は、知慧は、有限の中に無限の可能性を生み出す。
だからこそより深く己を知り、己の外に有る世界を、他者を知りたい。
生きる意味を、心の動きを。何故、己と言う意識が存在するのかを。
ぼくには生死が一つのサイクルだとは思えないのだ。
繰り返しの中で何かを掴み取ろうとしなければ、変化を望まなければ、同じサイクルで回り続けるだけの永劫回帰なのか。
それを抜け出し、その先を望む。
ぼくは個の意識は、死んで一つの意識に迎合するだけではないと信じる。
個の意識を保ったまま、無意識の神の領域とも言える真実に辿り着きたい。
その場所に辿り着き、全ての意味を掴みたい。
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