記憶のコラージュ

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1年生の時の一番印象に残っている思い出は 運動会のリレーの選手の補欠に選ばれたことだ。 ちなみに、僕はこのときに補欠という言葉を覚えた。 放課後に残って運動会の日までバトンの渡し方などリレーの練習をしていたが、 補欠なので運動会には出ないかもしれない、と言われていた。 それでも熱心に練習をしていた。 そして運動会当日にはどういうわけか出場することになった。 順位のことはまったく記憶にないが、見ていた母が喜んでいたのを覚えている。 これが1年生のときの一番の思い出だ。 2年生の時はリレーの選手にも補欠にも選ばれなかった。 1年生で最初に受けた図工の授業は クレヨンで動物園のイラストにぬり絵をするというものだった。 動物のなかに象がいたが、クレヨンに灰色はなかった。 僕は仕方なしに茶色で塗った。 ところが隣の席のカオリちゃんは、白と黒のクレヨンを使って灰色に塗っていた。 そんな方法があるのか、と僕は驚嘆した。 小学1年生の夏休みに、僕は学校のプール教室へ毎日通っていた。 太陽の焼くような日差しとアスファルトの熱を感じながら歩いたのを覚えている。
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