記憶のコラージュ

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僕が小学1年生のある日、自宅の風呂が壊れたことがあった。 しかたなく、その日だけ銭湯に行くことになった。 当時すでに銭湯は珍しく、僕の生活圏では幼稚園の近くに1件あるだけだった。 そこでハツザワくんという同級生に遭遇した。 ハツザワくんの家には風呂がなく、そのため毎日、銭湯に来ているのだと言った。 ただそれだけのことを僕はいまでもよく覚えている。 もしかすると自宅に風呂がないというのは僕にとって記憶に残るほど ショックだったのかもしれない。 それにしてもどうでもいい記憶だ。書くに値しない。 だが、いまとなってはこの出来事にすらノスタルジーを感じる。 いまはその銭湯もなくなり、ハツザワくんの家もなくなっている。 小学1年生の時、授業で使うのでカタツムリを持ってくるようにと先生から言われた。 僕は母と一緒に6号棟の近くのアジサイが咲いている場所へ行き、 カタツムリを捕まえてきた。 何ともないようなことだが、そのことを今でもよく覚えている。 毎日が何ともないようなことの積み重ねだったが、 今になって振り返ると、どれもとても素晴らしい体験だったように思う。 3年生になる時にクラス替えがあった。 僕は3組に振り分けられた。 千夏ちゃんも3組になり、コジマくんはまた別の組になった。 3年生4年生の時の担任の先生は40歳くらいの男性の教師だった。 1年2年時の先生に比べて厳しい印象はなかったが、行動的な先生だった印象がある。 毎日のように学級新聞を作り、毎朝、漢字の小テストをした。 小テストはさほど難しいものではなく、100点でなおかつ字がキレイだと、 1000点という採点をしてくれた。 僕は100点をとることはよくあったが、1000点はもらわなかった気がする。 I先生はいつもジャージ姿だった。 その他の記憶としては僕らと同い年の子供がいると言っていた。
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