記憶のコラージュ

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いつだったか、小学生のときだったと思うが、 子供だらけのクリスマスパーティーに行ったことがある。 会場は小平団地のどこかだったような気がするが、違ったかもしれない。 覚えているのはプレゼント交換だ。 それぞれが持ち寄ったプレゼントに番号をつけて、くじ引きをし、 引いた番号のプレゼントをもらえるという催しだった。 僕は名前を呼ばれてくじを引いた。 僕が受け取ったのはサンリオのキャラクターのノートだった。 サンリオを知らなかった僕は珍しいものを手に入れたと思った。 僕が住んでいた住宅の南東に喜平橋という橋があった。 玉川上水にかかる幅の広い橋で、道路と一体になっているので、 橋という印象は受けなかった。 この橋の近くに自転車屋さんがあった。 小平にいるあいだ、何台もの自転車に乗り換えた記憶があるが、 すべてこの自転車屋で買ったものだ。 子供だった僕にとって自転車は重要な移動手段であり、 どこへ行くにも自転車に乗って出かけていた。 自転車屋はピカピカしていた気がする。 まぶしく見えるほど自転車が好きだったのだろうか、 それとも店内の灯りが自転車の車体に反射していたのだろうか。 喜平橋のさらに南東に「つつじ公園」と呼ばれていた公園があった。 遊具のようなものがなかったので、それほどここで遊ぶことはなかったが、 記憶に残っている場所のひとつだ。 公園のなかに小さな池があって、釣りをしている人がいた。 小さな池なので、ここで釣りをしても魚がいるのだろうかと 僕はいつも疑問に思っていた。 魚が実際にいたのかどうかは今でもわからない。
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