記憶のコラージュ

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コジマくんという神童がいた。あんな神童に会うことはもう二度とないだろう。 学者のような子供だった。 少しナヨナヨとした頼りない感じの少年だったが、頭は抜群に良かった。 合唱だか童謡だかを習っていて、よく歌を披露してくれた。 愛読書が時刻表という変わった少年でもあった。 そういえば筑紫哲也も愛読書は時刻表だったと聞いたことがある。 知的水準の高い人は時刻表を好むのだろうか。 ヨウコちゃんという女の子がいた。 笑うとエクボの出る子で、美少女といえる子だったが、少しブリッコだった。 ヨウコちゃんには僕の弟と同い年の弟がいて、弟同士が親しかったこともあって、 僕とヨウコちゃんも学校外で少し交流があった。 ただ、ヨウコちゃんの家の近くには放し飼いの犬がいたので、 ヨウコちゃんの家には行ったことがなかった。 交流もほんの少しだけだ。 二人でどうしたということがあるわけではない。 ただ、僕が親しくした数少ない女の子の一人だったので印象に残っている。 ホシナくんというクラスメートがいた。 3年生頃の僕はこの子と親しくしており、頻繁に家に行って遊んでいたが、 4年生の頃にはあまり親しく遊んでいなかった気がする。 ただ、3年生頃に最もよく遊んだ友人の一人だった。 背が低く、活発な少年で、僕とホシナくんでは どちらかというとホシナくんの方が主導権を握っていた。 4年生のときに親しかった友人といえばアライくんのことを思い出す。 体が大きくて、野球好きで、漫画「かっとばせキヨハラくん」が好きだった。 誕生会に呼ばれたりするなど、親密な交遊があった。 もしかすると転校生だったかもしれない。 途中でうちの学校にやってきたと思うが、どうだっただろうか。 交遊の始まりはわからない。
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