第1章

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 知絵が宇附の持つネイルのハケに向かって腕を大きく伸ばした。机の上に乗り上げたような格好となる。  バランスを失い始めた知絵の体重がかかって、宇附の机の脚半分が宙に浮いた。ガラスの小瓶が転がり始める。  (そうだった)  瞬一の口に思わずついて出る。  (これが・・いつもの光景だ)  その顔に、ようやく表情が戻った。
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