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第2章 コンサート
第二章 コンサート
「龍!!!」「神崎!!」
暗い、暗い場所で美奈は目が覚めた。
「何寝ているの・・・もうすぐ龍のコンサート始まるわよ!!」
「おねえちゃん・・誰のコンサート?私生きていたんだ・・・」
「何言っているの?神崎龍でしょう。」
「え・・・・だって神崎龍って亡くなったんじゃ」
「何寝ぼけているの・・・あんたがあんなに行きたがっていたから、コネ使ってチケットゲットしたんだから、寝ていたら承知しないからね!!」
「う・・・うん」
神崎龍 享年26歳
10代の頃にライブハウスでデビューをして瞬く間にトップアーティストに。10代のカリスマと呼ばれ、20代になり、ますます、ファン層はひろがり、CMでは彼の曲が使われ老若男女知らない人はいなかった。
なのに・・・・
26歳に、事故で急死。
その「神崎龍」の姉は大ファンだった。
双子の姉に私はよく、龍の曲を聴かされた。
確か今年は龍が亡くなって、26年目だったはずなのに・・・・
どうしてその人のコンサートに私がいるの?
もしかしてここは天国??
そうだ・・・私確か、車にはねられて・・・でも姉は現在イギリスで結婚して幸せにくらしているはず・・・死んでなんかいないし
「何、ボーっとしているの!!龍のコンサートのパンフレット。めっちゃ、並んでいたんだから。感謝しなさいよ。あの伝説のロックンローラーそして、人気絶頂の龍様のコンサートに来られるなんて幸せ者なんだから」
神崎龍の熱狂的ファンの姉はマスコミが彼を取り上げるときに使うカリスマという言葉をあえて避けた。
コンサート会場が急に明るくなり、音楽が鳴り出した。すると地響きのようなファンの歓声があちらこちらから上がった。
「かんざき!!!!!」「りゅう!!」
「りゅうさま!!!!」
姉も隣で「りゅう!!りゅう!!」と大騒ぎをしていた。
バンドの長い前奏の途中で、白いTシャツに、ジーパン姿の20代の若い男性、神崎龍が、ゆっくりとステージの中央に歩いてくると、いきなりマイクをとって歌い始めた。
何度も何度もCDで姉から聞かされている曲
Spring R&R・・・・
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