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第3章 Spring R&R
第3章 Spring R&R
Spring R&R(オリジナルポエム)
机を並べて勉強していたやつらが、卒業していく。
卒業式という堅苦しいイベントに涙をうかべて
偽りの再会の約束をする
花束抱えて幸せそうな顔をしながら
自分達の今後について話をしている
大学にいくやつら
仕事につくやつら
みんな夢を忘れて現実にしがみついていく
そんな奴らを尻目に
俺は今日もR&Rを歌っている
夢を無くしてないかい?
熱いハートを持ちつづけているかい?
自分を見失っていないかい?
君は君だけのシナリオを描いているかい?
Spring R&R
Spring R&R
いつも人生の節目といわれるこの春に
俺は今もR&Rを歌っている
カモン!!
龍は、時々ファンに向けてマイクを突き出す。
と思えば、スピーカーやアンプをセッティングしてあるパイプで組み立てられているコンサートセットの上によじ登っていく。
ファンとアーティストが一体になっていくのを私は、自分の肌で、耳で、目でそして心で感じていた。
「すごい!!この人」
初めて姉がなんでこんなにもこの龍のとりこになっているかがわかってきた。
おもわず鳥肌のたってきた両手を私は自分自身をの手で抱きしめた。
また、R&Rを歌うときに舞台を所狭しと走り回りときどき、見せる、はにかんだ笑顔に姉だけでなく私も完全にハートを打ち抜かれてしまった。
アイドルのコンサートには、時々行っていた。
クチパクだなんていわれてもコンサートではキラキラと輝く王子様のようにきちんと歌ってくれて、ミーハーだなんていわれてもそのアイドルグループが見られればよかった。親友の真美と一緒に、秀命と書いた、おおきなうちわをもって、ペンライトをもって、キャーキャー騒いでいた。曲を聴きに来ているのか、騒ぎにきているかわからなかったが、それでも大好きなアイドルの顔が見られればよかった。
でも龍のコンサートは違う。曲の途中では、みんな、それぞれ、体でリズムはとっているが、間奏の間しか、名前を叫ぶものはいなかった。
やがて龍は、一曲目を歌い終えると、静かに語り始めた。
「今日は、みんなありがとう。Live Heavenの最終日に来てくれて・・・・
ちょうどそう、僕の25周忌にあたります。」
~第4章へ続く~
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