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第4章 カリアーナ
第4章 カリアーナ
キャーキャー龍!!神崎!!
みんなが盛り上がりをみせた。
「25周忌??今25周忌って言わなかった?」
「ちょっと黙っていて!!」と姉に制された。
「みんなは、いろいろな夢をもって歩きつづけている途中で、不幸にも命を絶ってしまった。絶たされてしまったものもいるだろう。
でも自分を信じて、次に生まれ変わったときには、もっともっと心の糧を増やして、夢を実現していって欲しい。そして、本当に心から愛せる人と出会って欲しい。
自分よりもその人の事が大切だって思えたら、
それが、本当に自分が探していた、真実の愛だと思うから。
今度の曲は、バラードで
「カリアーナ・・・・」聴いてください。
バラードの曲が始まるとばらばらとファン達は、座り始めた。私も、皆の真似をして、座った。アイドルコンサートにありがちの手拍子もなく、静かに龍は12弦ギターでひき始めた。
「カリアーナ」
あなたが疲れているとき
あなたが安らぎを求めているとき
私のそばに来て欲しい
稚児のように
私の心の臓の音を聞き
赤子のように安らいで安心して
眠りについて欲しい
冷たい世間の風の中で
必死に戦っているあなたの
せめて
安らぎのひとときになりたい
私の小さな腕の中では
よろいかぶとを脱ぎ捨てて
本来のあなたでいて欲しい
私はあなたを想いながら
あなたをそっと抱きしめるから
私にできるすべてを・・・
私のすべての愛を
あなたにささげ尽くしたいから
知らないうちに涙がこぼれてきた。
周りからもすすり泣きが聞こえてきた。
これが、神崎龍。なんてすごいんだろう
さっきのR&Rとは違うとてもとても
澄んだ美しい声で歌っている。
そんな龍を愛して止まなかった姉の気持ちがわかった。
姉に感謝をしていた。
と同時に何度も龍が生きていたときにコンサートに誘ってもらっていたのに、一度も行かなかったことがすごく悔やまれた。
龍がこんなにすごい人だなんて・・・だから今でもずっと人気があるんだな・・・
カリアーナが終わると、急に私と姉にスポットライトがあたった。
「今日のゲストを紹介します。岡崎奈美さんと美奈さんです。
そしてハッピーバースデートゥーユー」
何がなんだかわからなかった。
~第5章に続く~
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