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第5章 心のままに
第5章 心のままに
いきなりバンドが、ハッピーバースデーの曲を奏ではじめて、龍が歌い始めた。
歌い終わると、龍は私達のほうを向いて言った。
「ハッピーバースデー、奈美、美奈そして今日、生をうけたすべての人たちに、心からおめでとうの言葉を贈ります。」
私は、自分の誕生日をすっかりわすれていた自分にいまさらながら気が付いた。
「じゃ二人の誕生日そして、今から天国から旅立って、新たに生まれていく俺の仲間に対する気持ちをこめて歌います。
「心のままに」
「心のままに」オリジナルポエム
街角にちりつもった読み捨てられたニューズペーパー
いつも紙面いっぱいに載っている凄惨な記事たち
心も切れるほどの冷たさの
世間の風にさらされている
どんなときも君らしく
暖かい心を忘れないで
人を思いやる気持ち
一番大切だから
Happy Birthday To You
君の心の赴くままに
Happy Birthday To You
今日という一日を生きて欲しい
周りの雑音や言葉に
その心を惑わさないで
生まれたままの素直な心のままで・・・・
「ハッピーバースデー奈美、美奈
もうそろそろ帰る時間だ。今日は俺のコンサートに来てくれてありがとう。
自分自身を大切に、そして生きている時間を、毎日毎日を大切に生きて欲しい。
そして、俺が生み出した曲を是非、今後の世代に歌いつないでいってほしい。
今日は本当にありがとう・・・・」
「龍!!ありがとう!!龍最高!!」
いつのまにか私と姉は声を揃えて、ステージの上の龍に向かって叫んでいた。
「また、いつか会おう・・・」
龍は、軽く片手を挙げてウィンクをしてステージの袖のほうに消えていった・・・・・・
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