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突然ですが、俺の街が全裸です。
なにを言ってるのか分からねえと思うが、俺も全く分からない。
ただ一つ言えることは、今この街に服を着た人間は殆ど残っていないと言うことだ。
「おい、ついに美子ちゃんまで全裸になったぜ……」
隣の席に悪友、達夫(たつお)が俺に耳打ちをしてくる。
そう言う彼も、むろん全裸。
そして俺も、もちろん全裸だ。
こうなってしまったのは、一週間前。
全裸菌とかいう謎の菌が俺の街でだけ大流行したことが全ての発端だ。
この菌に感染すると、服を脱ぎたくなる。
そして全裸に対してなんの抵抗も興味も沸かなくなるのだ。
この状況がおかしいことは、誰しもが分かっている。
分かっているが、どうすることもできないのだ。
「これで、服を着ているのはもう三人だけか」
達夫がため息混じりに呟く。
目の前には、ついに今日全裸デビューを果たした美子の姿があった。
美子はこのクラスで一番美人でプライドも高く、字が上手い。
だからこそ、今まで耐えていたのだろう。
その彼女が、ついにそのヴェールを脱ぎ去ったのだ。
全裸で教科書を広げる彼女の白い裸体に、俺は手を合わせて祈りを捧げた。
ーーどうも、ありがとうございます。
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