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SNSなどでも「泣ける」と評判でCMに出演する女の子は「子役スター」としてメディアに引っ張りだこ。「命の提供先の選択自由化」は、好意的に受け入れられる土壌が着々と整えられていた。 一方で「現代版の姨捨山だ」といった批判の声もなくはなかった。 しかし、高齢化による社会保障費の増幅や、介護負担を黙殺したいという人々の奥深くに潜む共通認識、飛躍的に改善した若者世代の選挙投票率が相まって「次世代重視の風潮」が醸成されている。そんな淀んだ空気の中を突き進むだけの馬力が、か細い声に残されているわけはなかった。
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