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しかし一方で生きたくてしょうがないのに、不本意にも命を奪われてしまう人たちもいる。 どんな事情であれ、命を捨ててしまう人の隣で、「生きたい」という切なる願いも届かず、命の継続を勝手に止められてしまう人がいるのだ。 それを思うと、今度は憤りに近い感情が生まれる。それなら、どちらの主張も尊重してやることが、互いの幸せなんじゃないか。 真臼は、ことあるごとにこんなことを考えながら「やはり自分たちのやっていることは褒められるべきものなんだ」という思いを日に日に強くしていた。
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