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いろいろ説明を受けたが、正直よくわからなかったので、直感的にネイビーにオレンジラインとピンクのワンポイントカラーが差された、ポップな柄の万年筆を選んだ。 それを選んだのは、デザインを気に入ったことに加えて、価格が真ん中くらいだったからだ。やっぱり高すぎるのは気が引けるし、とはいえ安いものを選ぶと、父親が納得しないだろうと踏んだ。加奈子は、こうして父親の顔色をうかがうことが特技となっていた。 「良いのを選んだじゃないか」   加奈子の思った通り、真臼は満足そうだった。
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