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店を出ると、三時を回っていた。 「お茶でもして帰るか?」と真臼が聞くと、加奈子は「うん」とだけ答えた。思春期に入ってからというもの、娘の口数は減った。でも、こうして休みの日には、父親と二人で買い物に出かけてくれる。 真臼は「自分は父親としても成功をおさめている」と、ほくそ笑んでいた。
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